1975年2月 九州(其の3)

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今回は、関ヶ原から新幹線博多開業前の西端、岡山までをご覧いただく。

雪である。若狭湾から琵琶湖にかけて一気に日本海が間近になり、冬晴れの天気が一変して雪模様になる。国境の長いトンネルを抜けずに訪れるこの変化は、東海道新幹線を開業当初から苦しめ、今日でも新鮮な驚きをもたらしてくれる。
この時もそんな感動からシャッターを切ったのだが、この時はその雪によって旅行の後半が大きく狂わされるとは夢にも思っていなかった。

2月19日 16:17 関ヶ原付近


雪の米原を通過。迎えてくれたのは1年半前にたっぷりお付き合いいただいた海坊主ことDD50であった。
後ろに旧型客車を従えた現役の姿は、この時が最後になってしまった。

なぜか「桜島・高千穂」は米原通過という不思議な急行列車であった。新幹線開業前の東海道本線黄金期においても、電車急行は大垣と米原のどちらかには停車していたのだが、九州方面の客車急行は「霧島」も「高千穂」も「桜島」も米原は通過であったから、その名残なのかも知れない。

2月19日 16:34


米原〜彦根間の雪景色。空も完全に日本海側の様相である。

2月19日 16:36


岐阜の次の停車駅はここ大津である。膳所、山科という駅名が旅情をそそる。
バックに写っている建築途中の「滋賀ビルヂング」は駅方向が独特の円形をしたビルで、現在も「滋賀ビル」として現役である。
途中の回復運転のお陰で、大津は1分延発。

2月19日 17:18


10分で京都に到着。京都では思わぬプレゼントが待っていた。東海道緩行に使われていた元クロハ69003の改造クハ55157である。画面左側の窓幅の狭い方が旧2等車、右側が3等車、当時のメモには高槻区所属と書かれていた。1975年当時まだ残っていたのだから嬉しい限りだ。
画面左端には京都駅独特の屋根飾りも写っている。
京都ではついに定時に回復した。

2月19日 17:28


当時京阪や阪急がそれぞれ京都の中心部である三条と四条河原町をターミナルにしていたのに対し、国鉄の京都駅はかなり南側に位置するが、奈良電の頃から近鉄京都駅は国鉄京都駅に隣接していた。新幹線開業に合わせ、現在のような高架に改良され、新幹線から奈良方面へ行く乗客には極めて便利になった。国鉄奈良線はこの当時もまだ非電化で、1時間に1本から2本のディーゼルカーが奈良まで1時間10分かけて走っていただけだったから、10分から20分ヘッドの運転で奈良まで45分の近鉄にはかなうはずもなかった。
221系みやこ路快速で京都〜奈良間43分運転を誇る現在のJR西日本の片鱗すら感じられない旧型客車と、8000系のほか特急車も見える近鉄京都駅の対比が当時の状況を物語っている。

2月19日 17:29


「我々は近鉄さんとは使命が違う。これだけの長距離列車を正確迅速に日夜運行しているのですよ。」とでも言いたげな24系、583系、キハ80系がずらりと並ぶ向日町運転所を通過していく。
新幹線博多開業を機に大きく列車の運転形態が変わる直前、向日町のもっとも華やかな姿である。

2月19日 17:36


見慣れた阪急のネオンの輝く大阪駅に定着。ここまで8時間少々、東海道本線黄金期の急行「霧島」には少し劣るものの、なかなかの俊足である。
軽量客車で固められた急行らしい編成を大阪駅3番線に横たえ、ここでしばしの休息。
こちらもホームに降り立ち、少しく体を動かす。日が落ちて次第に冷え込んでくる時刻だ。

2月19日 18:09


JRとなってどんどん駅名標は変わっていってしまい、一時期のスタンダードとなったこのタイプのものは見かけなくなった。

2月19日 18:10


東京駅のロール幕タイプの案内に比べグッと近代的なパタパタと回転する「コパルタイプ」の案内板。
一部自由席というのは実体とかけ離れているが、「一部指定席」という表示がないのだろう。

2月19日


大阪を定時発車し最初の停車駅は三ノ宮。向こうには阪急も見えるのだろうが、もう闇に包まれて撮影は出来なかった。

2月19日 18:38


神戸の駅名標はマクラギ方向に設置されていた。何となく神戸の洒落っ気が見えるような気がする。

2月19日 18:42


神戸からは約1時間ノンストップで姫路。3年前の新幹線岡山開業直前に、ここでクロハ181の付いた「うずしお」を撮影したのももう遠い昔のように感じた。
この頃から更に33年、現在の姫路駅は山陽本線が全面高架化され、姫路だと言われなければどこの駅かもわからないほど激変してしまった。

2月19日 19:43


「岡山」に定時着。この先は在来線の独壇場となる。もちろん瀬戸大橋など無い時代。乗り換え案内には「宇野 四国方面」の文字が見える。
駅名標は新幹線開業時に新調したのか、近代的なものに変わっている。

2月19日 21:02


岡山でも5分ほど止まるので早速ホームに降り、運動がてらホームの時刻表を撮影。山陽本線黄金期の時刻表で、「桜島・高千穂」のあと翌朝4時44分の「あさかぜ3号」まで実に26本の定期夜行優等列車が並んでいる。7時14分からは「山陽1号」を皮切りに「つばめ」「しおじ」「なは」「日向」「かもめ」「みどり」「はと」とそれこそ次から次へと西に向かって発車していく懐かしい優等列車の名前が読める。

2月19日 21:03

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