小田急3100系
1963年もまだ明けたばかりの1月、SE車3000系の増備車 New Super Express NSE3100系が、名鉄7000系に遅れること1年半、我国2番目の前面展望式の電車としてその姿を現した。
11車体の連接構造は編成長 144.47mを誇り、車体は1600mm×750mmの大型固定窓を有し、最大の特徴でもある前面展望室には10名分の回転クロスシートが設けられている。車体色は3000系を踏襲しながらもグレーの部分を増やし、軽快さとスピード感を強調したものとなった。冷暖房装置は低重心化を考慮した床下ヒートポンプ式で、側窓下に通した冷暖房ダクトから各座席ごとに設けられた吹出口から冷風は上方へ、温風は腰掛けの下から供給されるという、珍しい方式をとった。室内の意匠にも工夫が凝らされ、中央には光天井と呼ぶにふさわしい幅650mmの連続グローブの照明、車両ごとに変えられたカラーコーディネートは豪華で落ち着いた雰囲気を作り出している。
1963年3月営業開始し、「はこね」「あしがら」「あしのこ」「きんとき」など、ロマンスカーの看板列車として活躍を続けた。
1977年から冷房装置の強化工事が行われ、屋根上に集約分散方式の冷房装置一基が追加されたが、これと引き替えに特徴ある天井中央の照明は平凡な2列の照明に変わってしまった。
1980年に本系列のマイナーチェンジ車とも言えるLSE7000系が登場、その後1987年のHiSE10000系登場により、次第に「はこね」等の看板列車運用は減少し第一線からは後退したが、1996年の30000系EXE投入までは廃車されることなく、特急車として活躍を続けた。しかしEXEの投入は続き、1999年7月16日「あしがら」での運用を最後に引退した。
一方1997年、小田急開業70周年に合わせ、3161〜3171の1編成がイベント列車「ゆめ70」に改造され、イベント列車としてだけでなく、特急運用にも使用されたが、この編成も21世紀を目前にした2000年4月23日のさよなら運転で引退した。