1975年10月10日高尾(其の1)

1975年10月10日、181系「あずさ」駅間写真最後となった高尾〜相模湖間での懐かしい車両達である。この日は弊サイト掲示板にも何度かお越しいただいた「特別快速三鷹行き」様と一緒に撮影に行った。

高尾に着いたのは、お昼過ぎ。当時の中央線は1972年に101系改造冷房車が登場、1973年に103系新製冷房車が投入されたものの、主力はまだまだ101系の非冷房車だった。この画像のように尾灯が埋め込み式の初期車も、冷房車の必要がなくなる季節には「特別快速」運用にはいることが多かったように思う。

クモハ100-76先頭の特別快速 高尾


高尾から、相模湖方面に向け15分ほど歩いき線路脇に出る場所を見つけ、ここで下り普通電車を撮影した。1975年初頭には中央線の115系にも300番代の冷房車がデビューしていたが、こちらも快速電車と同じで、主力は非冷房車であった。編成はTc+M’+Mc+T+T+Tc+M’+Mcの4M4T、画像の<433M>には最後尾にクモニ83の姿が見られるから、5M4Tの9連ということになる。東海型ベンチレーターが千鳥配置にずらりと並び、前照灯はもちろんデカ目。
ただ、松本までの各停ロングランが朝夕とはいえ、現在でも残っているのは嬉しいことである。

クハ115-178ほかクモニ併結9連の松本行き  高尾〜相模湖


この下に小さな踏切があり、ここからは上り列車が良い雰囲気。ちょうど線路際のススキも反逆光に輝き、折から上ってきたのは「山スカ」こと、70系。
先頭は全金・・・と思いきや、台車にご注目。TR48ではなくTR45である。事故車クハ76005を大井工場で全金属仕様に改造したもので、クハ76351に改番された車。あとに続くは、モハ71が2両、最後尾は3段窓4扉のクハ79である。

クハ76351ほか4連<538M>


得意の後追いで上の列車の後部クハ79430を捕らえた。70系の「山スカ」に対して、72系は「山ゲタ」と呼ばれていた。「山ゲタ」のルーツはダブルルーフの旧モハ30系を中間電動車化の上、低屋根改造したモハ10だが、その後はモハ71とモハ72850番台が引き継ぎ、101系の800番台、115系の800番台と続き、201系からはパンタを替えることで対応するようになっている。
スカ色の4扉車はぶどう色の車に比べてどこかローカルな印象が強い。

クハ79430ほか4連<538M>


中央線を撮影していてふと見ると、京王線の走る姿が目にとまった。181系「あずさ」が来るまでにはかなり時間もあり、ぶらぶらと歩いて河原に出た。水遊びには少し寒くなっていたが、それでも河原には家族連れがちらほらと見える。京王線のもっとも京王線らしい5000系が走りすぎて行く。これはクハ5867ほかの3連、まだ冷房改造前の姿である。

クハ5867ほか3連 高尾〜高尾山口


次に現れたのは4連の特急新宿行き冷房車。両端のクハは集約分散式が4基、中間のデハには集中式が搭載されている。もうこの時期は冷房を入れていないのか、窓はちらほらと開いているのがわかる。

クハ5783ほか4連  高尾〜高尾山口


続くも5000系4連の下り特急、今度は4500kcal/hの分散式を積んだ編成である。国鉄は集中式、私鉄は集約分散式が通勤冷房車の主流となりつつあったのがこの時期だが、この分散式のクーラーはいかにも初期の通勤冷房車の印象があって、好ましい感じがしたものだ。流石通勤冷房車の草分け「京王帝都」と、妙に感心した記憶がある。

クハ5772ほか4連  高尾〜高尾山口


ここでのお目当ての一つが、当時すでに数を減らしつつあったグリーン車。(国鉄のロザのことではない。確か当時の京王ファンや利用客の間では5000系6000系以外の緑色の車両をひとくくりにしてこう呼んでいたように思う。)
現れたのは1950年に京王初の16メートル級車体でデビューしたデハ2600型である。非貫通半流型の前面に、ノーシルノーヘッダーの軽快な車体だが、台車は枕バネが板バネながら軸バネ支持方式が独特のKBD−102型というちょっと変わったものを付けていた。側面に大きく書かれたK.T.R.の文字も懐かしい。

デハ2606ほか3連 高尾〜高尾山口


上の列車の後追い。吊り掛け音を響かせながら山肌に沿うようにして高尾山口に向けて登っていく。25年前のエポックメーカー2600型も30年を迎えることなく消えていってしまった。

デハ2605ほか3連 高尾〜高尾山口


京王線の撮影を終えて、先程の踏切までは10分かからずに戻り待つことしばし、<6M>上り「あずさ4号」が、クハ180-52を先頭にやってきた。バックは小仏の山、わざわざこうした縦位置で撮影したのも、山頂を入れたかったからに他ならない。
食堂車こそ2年前からは非連結となったが、6基のパンタが林立する迫力は特急車ならではの風格だった。

クハ180-52ほか10連 相模湖〜高尾


下り寄り先頭はクハ181-5。帯のない姿で最後まで活躍した1両である。後追いもなかなかの出来であった。

クハ181-5ほか10連 相模湖〜高尾

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